歯周病治療
- 治療後の歯茎の腫れや痛み
スケーリングやルートプレーニング、特に歯周外科手術の後は、数日から1週間ほど歯茎に痛みや腫れ、内出血が生じることがあります。必要に応じて痛み止めや抗生剤を処方いたします。 - 一時的な知覚過敏
歯石を取り除くと、これまで歯石に覆われていた歯の根元が露出するため、冷たい水などがキーンとしみる「知覚過敏」の症状が一時的に出やすくなります。多くの場合は数週間ほどで徐々に落ち着きますが、症状が強い場合はしみ止めの薬の塗布などで対応します。 - 歯茎が下がったように見える現象
治療によって歯茎の炎症が治まると、ブヨブヨと腫れていた歯茎が健康に引き締まります。これにより、結果として「歯茎が下がった」「歯と歯の間の隙間(ブラックトライアングル)が広がった」「歯が長くなった」ように見えることがあります。これは病状が改善した(健康な状態に戻った)証拠であり、治療の失敗ではありません。 - 抜歯への移行
治療を進める中で、歯の根の奥深くに重度なひび割れが見つかった場合や、骨の破壊が想像以上に進行しており、周囲の健康な歯に悪影響を及ぼすリスクが高いと判断された場合は、やむを得ず抜歯をご提案することがあります。 - Q. 歯周病と歯肉炎(しにくえん)は何が違うのですか?
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A. 歯肉炎は「歯茎だけ」の炎症、歯周病(歯周炎)は「あごの骨」まで進行した状態を指します。
歯肉炎は歯周病の初期段階のことで、炎症が歯茎だけにとどまっている状態です。
しっかり歯磨きをして汚れを取り除けば、元の健康な状態に戻すことができます。
しかし、それを放置して炎症が歯の根元深くに進むと「歯周病(歯周炎)」となり、歯を支えているあごの骨(歯槽骨)が少しずつ溶かされ始めてしまいます。
骨は一度溶けてしまうと自然に元通りになることはないため、歯肉炎の段階、あるいはできるだけ初期の段階で治療を始めることが大切です。 - Q. 歯ブラシのときに出血するのは、磨きすぎですか?
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A. いいえ、磨きすぎではなく、歯周病菌による炎症が出血の原因であることがほとんどです。
歯茎から血が出ると「傷つけてしまったかな」と思ってその場所を磨くのをやめてしまう方が多いのですが、実は逆効果です。
歯茎の中にプラーク(細菌の塊)が溜まることで歯茎がブヨブヨと腫れ、少しの刺激でも出血しやすい状態になっています。
出血を恐れずに、当院の歯科衛生士がアドバイスする適切な力加減で優しく磨き続けることで、汚れが落ち、数日から1週間ほどで引き締まって出血は収まっていきます。
ただし、どうしても出血が続く場合は別の原因も考えられますので、一度診察を受けていただくことをおすすめします。 - Q. 歯周病は、家族やパートナーにうつりますか?
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A. はい、歯周病菌は唾液を介して人から人へ感染(お口の中に定着)することがあります。
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には歯周病菌はいませんが、回し飲みや箸の共有、キスなどのスキンシップを通じて、唾液と一緒に菌が移動します。
ただし、菌がお口に入ったからといってすぐに全員が重度の歯周病になるわけではありません。
その方のご自宅での歯磨きの質や、免疫力、生活習慣などによって発症するかどうかが決まります。
大切なご家族をお口の病気から守るためにも、ご家族の皆さまで定期検診やクリーニングを受け、お口全体の細菌の数を減らしておくことが一番の予防策です。 - Q. 市販の「歯周病専用の歯磨き粉」を使えば、病院に行かなくても治りますか?
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A. 歯磨き粉だけで歯周病を根本から治すことはできません。
市販の歯周病用歯磨き粉には、歯茎の炎症を抑える成分や殺菌成分が含まれており、初期の予防や現状維持のサポートとしては有効です。
しかし、歯周病の根本的な原因である「歯石(プラークが石灰化したもの)」は、非常に硬く歯の根元にこびりついているため、歯磨き粉やご自身のブラッシングで取り除くことは不可能です。
歯科医院の専門的な器具(スケーラー)を使って歯石を綺麗に除去しなければ、病気は静かに奥へと進行してしまいます。
歯磨き粉はあくまで予防の補助として使い、治療は歯科医院にお任せください。 - Q. タバコを吸っていると、歯周病が治りにくいというのは本当ですか?
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A. 本当です。喫煙は歯周病を悪化させる最大の危険因子(リスク)と言われています。
タバコに含まれるニコチンなどの成分は血管を収縮させるため、歯茎の血流が著しく悪くなります。
血流が悪くなると、歯茎に酸素や免疫細胞が行き届かなくなり、歯周病菌と戦う力が弱まって病状が急速に進行してしまいます。
さらに恐ろしいのは、血流が悪いために「歯茎が腫れにくい」「出血しにくい」という状態になり、本人が気づかないうちに重症化しやすい点です。
治療の効果も出にくくなるため、歯周病治療を成功させるためには、できる限りの禁煙、または減煙をおすすめしています。 - Q. 歯周病になると、口臭が強くなると聞いたのですが…
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A. はい、進行した歯周病は特有の強い口臭(メチルメルカプタンなど)の原因になります。
歯周病菌は、お口の中の生ゴミのような成分(剥がれ落ちた粘膜や血液など)を分解するときに、揮発性硫黄化合物という非常に強い臭いのガスを発生させます。
これは「腐った玉ねぎ」や「お漬物」のような臭いと例えられることもあります。
歯周病が原因の口臭は、いくらタブレットを噛んだりマウスウォッシュを使ったりしても消えません。
当院の担当衛生士による専門的なクリーニングで、臭いの元となる歯周ポケットの奥の細菌や歯石を丁寧に取り除くことで、口臭は自然と大幅に改善されていきます。
専任の歯科衛生士とともに、大切な歯を支える土台から守る歯周病治療
「朝、歯を磨いたときに歯茎から血が出る」
「ときどき歯茎がぷっくりと腫れたり、浮いたような感じがしたりする」
「以前に比べて、なんとなく歯が長くなった(歯茎が下がった)気がする」
こうしたお口の変化に、心当たりはありませんか?
これらはすべて、歯周病(ししゅうびょう)の代表的なサインです。
歯周病は、自覚症状がほとんどないまま静かに進行していく特徴があるため、別名「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれています。
「痛くないから大丈夫」と放置してしまうと、歯を支えているあごの骨(歯槽骨)が徐々に溶かされていき、最終的には虫歯のない健康な歯であっても、ポロリと抜けてしまうことになりかねません。
実際、日本の成人が歯を失う原因の第1位は、虫歯ではなく歯周病です。
当院の歯周病治療では、その場しのぎの処置ではなく、患者さまお一人おひとりに専任の歯科衛生士がつく「担当衛生士制」を導入し、じっくりとお口の環境を改善していく体制を整えています。
基本となる丁寧なクリーニングから、重症化してしまった場合の歯周外科治療まで、確かな知識と経験に基づいて総合的なサポートを行っています。
当院のこだわり:お一人おひとりに寄り添う「担当衛生士制」とベテランの技術
歯周病治療を成功させるために最も重要なこと。
それは、歯科医師の治療だけでなく、患者さまと歯科衛生士が二人三脚で、長期的にお口の環境を管理し続けていくことです。
そのため、当院では「担当衛生士制」を採用しています。
来院されるたびに担当者が変わるシステムでは、「前回の状態と比べてどう変化したか」を細かく把握することが難しく、患者さまも毎回同じ説明をしなければならず負担になってしまいます。
当院では、あなた専任の歯科衛生士がパートナーとなり、初診時の状態から治療の経過、ご自宅でのケアの取り組み、さらには「お仕事が忙しい時期はお口が荒れやすい」といった生活背景の傾向までを深く理解した上で、一貫性のあるきめ細かなケアを提供します。
当院には、経験を積んだベテランの歯科衛生士スタッフが多く在籍しております。
豊富な臨床経験に基づいた丁寧で痛みの少ないアプローチにより、歯科医院が苦手な方も安心して受診していただけます。
どんな小さな違和感やお悩みも、どうぞ安心してお話しください。
当院で行っている歯周病治療のステップ
歯周病の進行度(軽度・中等度・重度)に合わせて、当院では基本治療から高度な治療まで、段階に応じた適切なアプローチを行っています。
すべての基本となる「ブラッシング指導(プラークコントロール)」
歯周病の原因は、歯と歯茎の隙間に溜まる「プラーク(歯垢)」という細菌の塊です。
どれほど歯科医院で高度な治療を行っても、毎日のご自宅での歯磨きが正しく行われていなければ、歯周病を根本から改善することはできません。
当院では、担当衛生士が患者さまの歯並びやお口の癖、現在使われている歯ブラシの形状などを細かく分析し、最適な歯磨き方法をアドバイスします。
「これまで自己流で磨いていたけれど、正しい磨き方を知って驚いた」「歯間ブラシやフロスの効果的な使い方がわかった」と、多くの患者さまに喜ばれています。
日々のセルフケアの質を高めることこそが、歯周病治療の最大の鍵となります。
歯石を丁寧に取り除く「スケーリング & ルートプレーニング(SRP)」
歯磨きでは落とせなくなってしまった頑固な「歯石(プラークが硬化したもの)」を、専門の器具を使って除去する治療です。
スケーリング
歯の表面や、目に見える範囲の歯茎の縁に付着した歯石を、超音波スケーラーなどの機器を用いて優しく丁寧に取り除きます。
ルートプレーニング
歯周ポケットの奥深くに入り込んでしまった、細菌の毒素を含む歯石や汚染組織を、専用の細い器具で慎重にかき出します。
同時に、歯の根っこの表面(ルート)をツルツルに滑らか(プレーニング)に整えることで、新しいプラークが再び付着しにくくなる環境を作ります。
通常、軽度から中等度の歯周病であれば、この基本治療(ブラッシング指導とSRP)を行うことで歯茎が引き締まり、健康な状態へと落ち着いていきます。
深いポケットに対応する「歯周外科治療(フラップ手術)」
基本治療をしっかり行っても、歯周ポケットが非常に深い重度の歯周病の場合、器具が奥深くまで届かず、根の裏側にこびりついた歯石を取りきれないことがあります。
そのような場合には、局所麻酔を行った上で歯茎を少しだけ切開し、奥深くの汚染された根っこの表面を直接目で確認しながら、取り残した歯石や感染組織を確実に取り除く「フラップ手術」を行います。
見えない部分を可視化してアプローチすることで、重度の歯周病であっても進行を食い止める可能性を高めることができます。
当院が守り続ける「診療順序」:歯周病治療と補綴(被せ物)の関係
当院では、虫歯の治療や被せ物(クラウンやブリッジ、入れ歯など)の作製を行う前に、「まず歯周病の初期治療をしっかりと完了させ、お口の土台を整えてから最終的な型取りへ進む」という順序を一貫して守っています。
いくら白くて精密な、素晴らしい被せ物を作ったとしても、それを支える歯茎が歯周病で腫れていたり、土台となる骨が弱っていたりしては、長持ちさせることはできません。
また、歯茎が腫れた状態で型取りをすると、治療後に歯茎が健康になって引き締まった際、被せ物との間に大きな隙間ができてしまい、そこから再び虫歯が再発する原因になってしまいます。
急いで治療を終わらせてほしいというご要望をいただくこともありますが、急ぐあまりに再発を繰り返してしまっては、最終的に歯を失うことになり、患者さまに大きな不利益が生じてしまいます。
当院にお越しいただく患者さまの多くは、この「歯を本当に大切にするための治療方針」に深く共感してくださり、前向きに歯周病治療に取り組んでくださっています。
歯周病治療(基本治療・外科)のリスクと副作用
歯周病治療はお口の健康を維持するための非常に重要な医療ですが、治療に伴い以下のリスクや副作用が生じる場合があります。
当院では事前にこれらを分かりやすくご説明し、ご納得いただいてから処置を行います。
歯周病治療に関するよくある質問(Q&A)
